あのレジェンドシェイパーの意外すぎる幼き頃の夢とは!?
天才ボードメーカーとして知られるディックブルーワー。ボード革命に最も影響を及ぼしたシェイパーの1人とされています。ビッグウェーブに乗るサーファーが命を預けるボード、それをシェイプするのがディックブルーワーです。80歳目前の今もなお数多くのライダーが彼の作るボードに命を預けているのです。今回はサーフボードシェイプの巨匠、ディックブルーワーの生い立ちに迫ります。
【かつてブルーワーは恐ろしい存在だった】
60年代後半からサーフィン界では大きな革命が起きていました。サーフボードの縮小化です。ブルーワーは弟子であるジェリー・ロペスと一緒にボード縮小化に取り組んでいました。これまで長い板が当たり前だったサーフィン業界において、一気にボードを短くしようとする彼らの革命は多くの人に反対されました。当時、大量のロングボードの在庫を抱えていた大手メーカーは、ショートボードの魅力を広める彼らの存在が怖くて仕方がなかったといいます。都合が悪い彼らはブルーワーの存在を無視しました。
【子供の頃の夢はパイロット】
小さい頃からディックブルーワーの夢はパイロットになることでした。16歳でサーフィンを始めてからは彼の関心はパイロットからサーフィンへと変わっていきました。波乗りには一瞬で人の夢を変えてしまう魅力があります。彼は1年だけホビーアルターの下でシェイプを務めています。その時に生み出されたボードが「RBホビー」であり、今でも傑作と言われています。
「Edie Would Go」の言葉と共に有名なエディ・アイカウの象徴とされる赤いボードもRBホビーです。このRBはディックブルーワーの本名であるリチャード・ブルーワーの頭文字をから来ています。ハワイで多くのサーファーがブルーワーの削ったボードに腹ばいになり、命を懸けて沖を目指しパドリングしていきました。
【サーフボードと禅】
最近では雑誌で弟子のジェリーロペスがスノーボードをしている写真をよく見ますが、それと同時に座禅を組んでいる写真も見かけます。実はブルーワーは座禅をすることで集中力が増し、シェイプに集中できるようになったということを言っているのです。痛みや邪念、全てがなくなり無の境地に達した時、最も感覚が研ぎ澄まされていると。座禅を組むようになってからはサーフボードをシェイプする際も、シェイプしている目の前の1本のことだけ考えて削るようになったといいます。
【ブルーワー vs マクタヴィッシュ】【ハワイ vs オーストラリア】
ショートボード革命には今なお続く論争があります。「革命を起こしたのはブルーワーなのか、マクタヴィッシュなのか」「ハワイから始まったのか、オーストラリアからなのか」というものです。映画「ゴーイング・バーティカル」では、当時のことを知っている人の証言を交えて検証しています。真の主導者は誰なのか?ショートボード革命の真相を紐解くドキュメンタリー映画です。60年代の貴重な映像を見るだけでも興奮してしまいます。
【ブルーワーの今】
「いくらテクノロジーが進化してもハンドシェイプはなくならない。作り手がボードに魂を注入できる唯一の方法だからね」
彼は今でも、ハンドシェイプに勝るものはないと考えています。
多分これからもずっと。
サーフィン界の巨匠として有名なブルーワーですが、80歳を目前にした今なおボードに魂を込め続けているのです。
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